修理、改造の部屋 (略して、、修造の部屋!)

ちょっとした修理や改造を自分でやってしまう。小さな部屋での子供じみた中年男の密やかな楽しみ。でも、かえってキズ口を広げたり、制作に失敗してガラクタがどんどん増えていくような気もしている今日この頃。

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ASUS VivoTab Note8のUSBコネクタを自力で修理してみた。

2017/05/19


ASUS VivoTab Note8、、購入して、はや2年近く、とうとうその日がきてしまったようだ。
ある朝、マイクロUSBに充電のためのプラグを差したのに、充電が始まらないではないか、、。

まさか、、、、冷や汗をかきながら、プラグを少し斜めにしてみたり、強めに押してみたりする。
すると、ある角度に強く押すと、充電中を示すオレンジのライトが点灯する、、

力を抜くとライトが消える。
ラインを変えてみても同じ症状である。
VivoTabのUSBコネクタがついに破損し、接触不良になっているのだ。

早速、裏ぶたを開けて、老眼の始まっている目を凝らしてコネクタのあたりを必死に見るが、どこが壊れているのか、肉眼ではさっぱりわからない。
端子をはんだづけしているパターンがはがれているのかもしれない、、、。

USBプラグの5つの端子の中で、電気を取り込むのは両端の端子である。
片方の端子の下にカッターナイフを差し入れて、少し力をいれて持ち上げてみる。

もう少し力をいれてみて、、

もう少し、

もうs、、ぽきっ!

 

ぽきって、おい!

端子が一本、ポロリともげた。

ま、まあ、どちらにしても壊れていたのだ、壊れていたものをさらに壊したからと言って、 罪にはならなんだろ(汗)

ということで部品交換を決意。

ネットで同じようなものを探したがなかなか見つからない。
アマゾンのNexus7の純正コネクタ交換用、というものがなんとなく似ている。
よし、これにしよう。ポチ。

2,3日後に「商品を発送しました」の連絡が来てから、 ものが届いたのは、到着予定日をはるかに過ぎて、一か月近くたってからだった。
中国からの発送で、時間がかかるとは聞いていたが、このちっぽけな部品が 一か月もの間、いったい世界のどこをどう旅してきたのだろう、、、。
通関のおじさんに監禁されていたのだろうか、、よくぞ生きてオレの手元に、、
その気持ち、無駄にしないぞっ。

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さっさく修理にとりかかる。
修理の方法は、部品を待つ間、Google先生になんども確認済である。
親切な方が、修理の様子をアップしてくださっている。

あ、いいわすれたが、このVivotab君、すでにあの悪名高き「エラーコード10」の 修理を経験済で、なんども裏蓋を開けられている。
一度でも、ふたを開けたらメーカーの補償はおろか、 修理すら受けられないらしいので、ご注意。

USBコネクタは、二層構造となっている下側の基盤に位置している。
従って、いったんすべてのネジを外さなければならない。
ドキドキしたが、外すのは意外と簡単だった。復旧も簡単そうだ。
どこの誰が作ったのか知らないが、実によくできている。

さて、壊れたUSBコネクタの取り外し。

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はんだ付けによる部品は、 最初の取り付けより、取り外しの方がはるかに難しいと思う。

例えばこれ。

脇の金具が4か所、端子が3か所(2か所はすでにとれているので、、) はんだで止まっている。この7か所のはんだを同時に溶かして、 部品を引っこ抜けば、部品は難なく外れるだろう。もちろんそんなことは無理だ。

一か所づつでも、はんだをきれい取り除ければそれでよい。
吸い取り器というものは、使ったことがないが、それできれいにはんだがとれるんだろうか。
今度試してみよう。

私は、少年時代から、電気製品の分解時にやっていた方法を踏襲。
コネクタをペンチで挟みもって、はんだ付けしてあるところを一か所づつはんだを溶かして、少しづつ、 ずらして外していくのだ。

右と左の脇金具に交互にはんだごてをあてて、ずらしていく。
ゆっくり慎重に。慎重に、、、。お、いい感じだ。
と、突然部品がとれた。

え?
残った三つの端子には、まだはんだごてを当ててないんですけど、、、、

三つの端子がパターンごときれいにはがれたのだ。

今から思うと、先に端子を外しておくべきだった。
使わない部品の端子なんて折ってしまっても全然かまわなかったのに、、

写真ではわかりにくいが、
端子のところのパターンがきれいにはがれてしまっている、、

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もちろん、たったこの程度でめげていては元ラジオ少年の名が廃るのだ。
端子がはんだ付けされるべきところにつながっているパターン部分に電気的に接続できればいいだけのはなしじゃないか。(汗)

最近(?)の基盤は、はんだをしないところの銅箔の上には絶縁樹脂が塗布して保護してある。
基盤の緑色が少し薄い部分である。
まずはこの樹脂を剥がす必要がある。

で、カッターナイフの刃先で優しく、表面をコスコスする。
すると間もなく、美しく輝く銅箔が露出してくるではないかっ。

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この部分にジャンパーをはんだ付けする。
ジャンパーには、昔、オーディオアンプを作ったときに使ったPCOCCという
高級線材の余りが道具箱にあったのでこれを使った。
もちろん、この線をここで使ったからと言って、音質はおろか、性能にも何にも影響はない。
20本くらいのより線の1本だけを使う。

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この1本でも、USBコネクタの端子に匹敵する太さだ。
というか、USBコネクタの端子のいかに細いかがわかる。

さて、この細かい作業がおれにできるのだろうか。

まず、基盤のはんだ付けする部分にははんだを薄く乗せておく。
次にジャンパの線を一本、簡易作業台のクリップで固定し、その先端にはんだをつける。
そして、基盤を手にもって、ジャンパ線の先端を基盤のはんだすべき箇所に当てる。
その中心に1~2秒間だけ、息をとめて、精神を集中してはんだごてをあてて、、、はなす。
うまく、はんだ付けができていれば、基盤から手を放しても、
基盤がぶら下がるくらい、しっかり着いている。
なんどか失敗しながら、5本のジャンパ線のはんだ付けに成功。

その結果がこれ。(ピンボケだが)

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まるで、バカボンパパのひげそのものだ。
本数も5本ピッタリである。

 

bakabonpapa
ちなみにバカボンパパのヒゲを鼻毛と思っている人が意外に多い。
実はオレも少年時代はそう思っていた。
もし鼻毛と思っている方がいたら、
この機会にぜひ認識を改めていただきたいと願う。

ここで念のため、鼻毛同士、じゃなくてジャンパ線同士が接触していないか、
テスターでチェック。

ジャンパをつけるのは最初からのアイディアだが、これとUSBコネクタ端子の付け方は、このときひらめいた。
というか、これしかないだろう。
折り返して、その上に端子を乗せてはんだ付けをする。
絵に描くとこんな感じだ。

はんだ図

実は、オリジナルのコネクタと、今回購入したコネクタでは、 端子の位置が微妙に異なる。端子の位置が少し高いのである。
今回の方法は、この高さの埋め合わせにもちょうどよいし、 基盤のはんだづけ部分から、端子のはんだ部分の距離を稼ぐことによって、 端子とジャンパのはんだ付けをしている最中に、 その熱がつたわり、基盤部分のはんだが溶けてしまう不具合をさけることもできる。
後述のように、絶縁体でくるみやすく、はんだ付けも容易だ。
一石三鳥。さすがおれ。

購入したUSB端子のもう一つの問題は、オリジナルのものにくらべ、 固定する金具の位置が少し低く、幅が広いこと。IMG_20160627_225226

これを補正すべくラジオペンチで取り付け金具の部分を少し曲げることにした。

高く、狭く、高く、狭く、高く、もうちょっとせま、、、、

ボキ。

え? ボキって、、またかいっ!

1つ金具が折れたが、も、もちろんこれも問題はないことは言うまでもないだろう。

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金具のはんだ付けは二つの意味を持つ。
一つは、USBコネクタを、抜いたり差したりする際の
物理的な力に耐えるために基盤にしっかり固定すること、
もう一つは、GNDにつなげてラインをシールドすることである。

シールドのためには一か所くっつければよい。
物理的な力に耐えるには、どちらにしても、 エポキシ接着材で固定するつもりだったので、問題ないのだ(汗)

ということで、まずは、無事だった金具のはんだづけをする。

そして、端子とジャンパ線のはんだづけ。
ジャンパ線を各端子の真下にもってきて、隣と接触しないように、はんだづけするジャンパー線と端子のセットをくるむように、絶縁体で挟んではんだ付けすればよいだけだ。

隣の端子との絶縁になにを使うか、
柔らかくて、熱で溶けないもの、、、、
そうだ、紙でいいじゃん、
ということで、手近にあったノートの 端っこを破って図のようにはめ込んで、 はんだづけ。こりゃラクダ、、、勝ったも同然、と思ったら、 意外にはんだが乗らない、、
しまった、端子を軽く磨いて、薄くはんだを乗せておけばよかった、、、

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あと今から思うと、絶縁物は紙ではなく、アルミホイルでも
よかったかもしれない。放熱効果も兼ねて。

少し時間がかかったが、5本すべてのはんだづけに成功。

仮ねじ止めして、アダプタをさしこんでみると、
見事にオレンジのLEDが点灯。やった。

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ということで、100均で買ったエポキシ接着材で、周囲をがっちり固定。

翌朝、接着材がかちかちになったところで、意気揚々と、組み上げて充電し、スイッチオン、、、

しかし、、、起動しない。
実は、ここから、結構試行錯誤して、24時間ほど悩んだが、
再度分解してみたら、なんのことはない、USB端子のある基盤に接続する、カメラモジュールのコネクタ線がきちんとはまっていなかったことがあきらかになった。
あせりは禁物だ。基本に忠実に。

ちなみにこのコネクタ線、バックフリップというタイプで、メスコネクタの差し込み口の反対側のロックをパタンと起こしてからはめないとダメなやつらしい。
まず、すべてのコネクタはしっかりはめましょう。

バックフリップ方式については、「エラーコード10」の最終的な原因と解決方法を日本で 初めて広めたであろうヒーロー、わかめそば氏のブログの掲示板でどなたかがご指摘くださっていたので、そのことを認識できました。(自分で発見するのはまず無理。)
どこのどなたか存じませんが感謝です。

エラーコード10の解決方法としても、本来は基盤のネジを外して、基盤を持ち上げて、メスコネクタのバックフリップのロックを外して、コードを抜き差しするのが、安全、確実なやり方ということだ。
基盤のネジを外すのは、さすがに怖くてできなかったが、今回、やってみると少しも難しくはなかった。

ということで、見事、一か月ぶりにViboTab君が立ち上がった。
Yahooのニュースのキャッシュは1か月前のまま。
USBメモリーも認識してくれた。USBコネクタをつなげた時の、少しきつめの装着感が心強い。

よくぞ無事に、かえってきてくれたね。(涙)

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自分での修理はかなりリスクを伴いますので、 あくまでも自己責任でお願いします。

 

 

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