修理、改造の部屋 (略して、、修造の部屋!)

ちょっとした修理や改造を自分でやってしまう。小さな部屋での子供じみた中年男の密やかな楽しみ。でも、かえってキズ口を広げたり、制作に失敗してガラクタがどんどん増えていくような気もしている今日この頃。

修理

ホンダ・オデッセイのセルモーターを自分で交換しようと思った話 その2

2017/06/12

さて、セルモーターの交換だが、日本とアメリカのオデッセイでは、エンジンルームの構造が異なっている。したがってここからは、日本のオデッセイを持っている方の参考にはあまりならないと思うので、細かい手順などは省略させていただこう。

結論から先に言うと、自力ではできなかったのだ。

セルモーターをエンジンに接続しているのは、2つの17ミリボルトである。これがなんとも固い。完全に固着してしまっていたのだ。

「固いボルトを外す」でネット検索すると、あるひとつの方法が結論として出てくる。浸潤オイルをボルトの固着部に塗布して、ボルトの頭をハンマーで叩くんである。この方法でひとつはなんとか外すことができたが、もうひとつがどうしても外れない。セルモーター全体を根こそぎ外すことはできなかったが、セルモーターの一部分であるモーター部分が外れた(わかるかな?)ので、部品の一部分だけを交換することにした。これでも、カーボンブラシが新しくなったので、カーボンブラシの磨耗や、電気的な接触に問題があったとしたならば、直っているはずだ。

2-1 Old Motor
取り外した古いモーターのコイル、やはりカーボンブラシがほとんどなくなっている。相変わらず写真がへただ。

 

2-2 Part of New Motor
新しい部品から、一部をとりはずしたところ。無駄に分解してしまっている。

 

2-3After Get rid of part of old
ここだけとれた。

 

2-4 After Put part of New
一部だけ新しい部品にしたところ。

 

 

早速組み上げて、どきどきしながらイグニッションキーを回す。

しかし、反応がない、、、、頭が真っ白になりながらも、神に祈るような気持ちで、5回くらい回したところで、セルモーターが回転し、エンジンが始動しだした。そして、再度エンジンを止めて、イグニションキーを回す。やはり、反応がない。そして、5回目くらい回したところでエンジンがスタートする。

やはり、だめだったか、、しかし、これなら、自力で修理工場か、ディーラーに持っていけるだけましかな、と思っていたら、アイドリング中に、回転数が勝手に上がっていって、また下がり、また上がりを繰り返す。2000回転と1000回転の間をいったり来たりするではないか。あとで調べてわかったが、これはハンチング、と言う現象らしい。さらにエンジンの異常を示すランプが点灯して消えなくなった。スターターとの因果関係はまったくわからない。いずれにしてもこれでは危険すぎて公道を走ることはできない。絶望的だ。

さて、私の会社でアルバイトで働いていた子で、ロウズ君という子がいた。子といっても21歳の好青年である。彼は、実は自動車の整備に詳しいことを自負しており、自ら自動車の修理会社を立ち上げたところだと言うのだ。彼に事情をはなしたところ、自分なら治せると請け負ってくれた。

ロウズ君、若き日のマイケルジャクソンに似たハンサム青年だ。

歌とダンスがうまいかどうかは聞いたことがない。

 

まずは、セルモーターの取り外し。私がどんなにがんばっても外すことができなかったボルトだが、ロウズ君がレンチをはめて、いよっ、と力をいれたとたん、あっけなくボルトが回ったんである。ロウズ君はもんどりうって大笑いだが、私は開いた口がふさがらなかった。私のときは、レンチのハンドルに全体重を乗せても(文字通り、エンジンルームの縁に立ち上がり、レンチのハンドルの端に全体重をかけて踏みつけたりしたのに)、回らなかったんである。あまり力を入れたせいで、ウォルマートで買った安物のラチェット付レンチのラチェットが壊れたくらいだ。ロウズ君も認めたが、エンジンを始動して振動が伝わったこと、時間が経過したこと等により、浸潤オイルがボルトとエンジンの隙間の奥にまで浸透して、外れやすくなっていたのだろう。彼がいくら力持ちでも、屈んだ姿勢で、私の体重を上回る力を加えられるとは考えられない。

いずれにせよ、スターターの交換には成功した。

ここでいったん組み上げ、ロウズ君が運転席に乗り込み、イグニッションキーを回す。一発でエンジンが始動した。イエーイッ、なんてハイタッチ。そして、さらにロウズ君、神妙な面持ちで、エンジンの音に耳を傾け、タコメーターを見ながら、ギアをドライブに入れたりパーキングに戻したりして、エンジンの様子を確認する。そして、アクセルを踏んで離すと、また、ハンチングが始まった。

結局、その修理は翌日以降となった。ハンチングの原因と対応方法については、グーグル先生に聞くといろいろ出てくるが、ロウズ君がネットで調べた結果の見立ては、EGRバルブの交換もしくは掃除をする必要があるということだ。

やはり、スターターの交換との因果関係はわからない。ハンマーでボルトを何回も叩いた際に、クロッグがボロリとはがれて、バルブを詰まらせたりしたのだろうか。しかしそれなら、走行中にとっくに同じことが起こっていても不思議はないか。

いずれにせよ、翌々日、ロウズ君がEGRバルブの掃除をして、見事、エンジンを正常な状態に戻すことに成功した。

ロウズ君からの請求は、彼の時給から換算するとかなり高かったが、技能職だし、何よりディーラーや整備工場に持ち込むことを考えたらはるかに安いだろう、ということで、やはりラッキーだったといえよう。自力で直せなかったのは、少し悔しいが、EGRバルブの掃除はかなりハイランクな修理だと思う。やはりプロ見習いの彼に任せて正解だったと思う。

ロウズ君は、すべて直った後で、スターターのボルトももう一回締めなおす必要がある、といって、再度、バッテリートレーを外して、スターターのボルトを締めなおしていた。このあたりが、プロらしい。車のボルトは常に激しい振動にさらされる。自分でいじった箇所は、定期的なチェックが必要だろう。

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